奥田昭三著 「茶味」より
・《和啓清寂》 「和ぎて流れず啓して諂わず清して潔く寂して躁(あわただし)うせざれ」
「礼の用は和を貴しとなす・・孔子」。敬とは自己に対して慎み、他人に対して敬う心。清は清潔・清廉、物と心の清である。寂は心の落ちつき、その一挙手一投足にも心の落ちつきを宿すこと。
・《茶の湯の極意》 「夏はいかにも涼しきやふに、冬はいかにもあたたかなるやふに、炭は湯のわくやふに、茶は服のよきやふに、これにて秘事はすみ候」
真の自由
如何なる境に臨んでも、今・茲・我ということを忘れず、和敬静寂の自らなる働きによって所作に何らの躊躇がない。法に従えば、従容として一糸乱れず、法を破れば、突嗟の働きによって、更に一境を開く。無碍自在。「白雲の長空を飛ぶ」がごとくである。これが真の自由である。